CW感想『銀天秤に座す魔物』『イーリル・エタムと五匹の猫』


『銀天秤に座す魔物』

 

 ◆対象Lv1~3、6人用、エンジン1.50~

 

 冒険者たちがうっかり持ち寄ってしまった3つの依頼から始まる長編シナリオ。配役決めにまず冒険者たちを3組に分ける作業が楽しい。初っ端から楽しい。がめつそうな冒険者 is 誰!?w

 この一見関係のなさそうな依頼たちが実はあちこちで繋がっていて──というメンバー切替形式で少しずつ明かされていく背景と、荷物袋に増えていく何やら共通点を感じるアイテム、行ける場所が増えていく喜び。プレイヤーの好奇心と続きを読みたい欲をくすぐるのが本当に本当~~~に上手い。カブさんのシナリオを遊ぶたびにゴロゴロしちゃう、カブさんの手のひらの上で転がされ続けている(?)。 

 市長選とそれを取り巻くパパラッチ、という現実世界でも目にすることのあるイベントで物語はとっつきやすく、且つ天秤や拡声器といったお馴染みのアイテムにファンタジー要素を掛け合わせた描写に心躍りました。あと屋敷探索めっちゃドキドキした、不審度という概念面白いですね!

 前半の街探索パートも後半の屋敷探索パートも、「この依頼を受けそうな冒険者」「この役目を上手く出来そうな冒険者」をプレイヤーに選ばせてくれるのが有り難かったです。カブさんのシナリオはいつも、引き込まれる物語と美しい画面&お洒落なUI、魅力的なNPCさん達で楽しませてくれるだけでなくあくまでも「プレイヤー宅の冒険者が主役」というご配慮を隅々まで感じます。最後にマチルダさんの心が折れかけた時、冒険者の発した言葉がきっかけとなって顔を上げてくれたあの瞬間すごく嬉しかった。“お手伝い”の立場でありながらも「あなたたちがこの街にいてくれて良かった」と言ってもらえるの、なんかもう冒険者やってて良かったなぁお前たち……。彼女の進む道は決して平坦ではないけれど、彼女ならきっと大丈夫、と気持ちよく街を後にすることが出来ました。良い街にしていってください!

 

……。…………? そうか? 本当に気持ちよく? 何か引っ掛かってたことあるの忘れてないか? ???

 

そう、あの投票の間でのアレは一体──? と、なったところで後編へ続く!! 


『イーリル・エタムと五匹の猫』

  

◆Lv不問、6人用(前編を遊んだ6人推奨)、エンジン1.50~

 

 前編で感じた違和感はそういうことでしたか~! という納得から始まる後編、面白いなぁ……(しみじみ)。魔女さん気さくで可愛い。黒猫ちゃんがついてくれて嬉しい! 所持クーポンがめっちゃねこちゃんw 可愛いww えっこの子のアイコンが時間経過を教えてくれるの!? 一日が終わると寝ているの可愛すぎる。そして大層ないたずらっ子で笑わせてもらいました。新聞社の看板ー!! 

 本物の天秤を求めてぐるりぐるりと時間旅行。目的の行動を起こすための行動、も必要になってくるので一筋縄ではいきませんが、ひとつ行動を起こすと確実に何かが変わっていくのが楽しかったです。一気にドーン! は進めないけど一歩一歩進んではいる、はず……!

 前編で通った世界線とは異なる可能性を通った街を一人歩く主人公──というどこか不安定な緊張感ある状況のはずなのに画面のあちこちにいる猫ちゃんに心を奪われすぎて困りました。色々やることはあるけれどとりあえず真っ先に街中の猫に飴を配って歩いたら魔女さんに呆れられてしまった……w


 道中色々なことが起きてだんだんと頭がこんがらがってきますが、ヒント表示のON/OFFを選べる親切設計でとても助かりました。迷わずONにしました。プレイヤーにやさしい環境づくりに拝みっぱなし。

 前編と同じ街にいるのに全然違う雰囲気のシナリオになっているの本当にすごい。EDを全部回収しないままクリアしてしまったので別パーティに期待します。宿に帰ってきて主人公に付いたクリアクーポンにワッッッて声が出ました。


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